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【ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン】
多様な人材が輝ける職場環境づくり

【ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン】
多様な人材が輝ける職場環境づくり

座談会
社外取締役/サステナビリティ委員会 委員長 金子 恵美
社外監査役 垣内 美都里
執行役員/サステナビリティ推進室 室長 千田 悠可
課長代理/設計課/男性育休取得経験者 設樂 正明
チャレンジドシナジー課/障がい者アスリート 岩渕 亜依
【ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進】サステナビリティのこれまでとこれから 【ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進】サステナビリティのこれまでとこれから
当社はサステナビリティ方針として、「『豊・楽・快(ゆたか)』なくらしの創造をめざし、持続可能な地域・社会・環境の発展に貢献する」ことを理念として掲げています。
今回は、「多様な人材が活躍できる社内環境の整備」について、社外取締役の金子恵美氏、社外監査役の垣内美都里氏、執行役員の千田悠可氏、従業員で課長代理の設樂正明氏、ケイアイチャレンジドアスリートチームの岩渕亜依氏に語り合っていただきました。
(サステナビリティ推進室 サステナビリティ推進課 課長代理 佐藤)

ケイアイスター不動産のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

──今回のテーマは「多様な人材が輝ける職場づくり」です。まずは、当社グループのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下「DE&I」)に対する考え方について、サステナビリティ推進室 室長の千田執行役員からお願いします。

千田 執行役員(以下、千田)
当社のDE&Iに対する考え方の根底には、当社の経営理念である「関わるすべての人を『豊・楽・快』にする」があります。
この「関わるすべての人」には、お客様や協力企業様、株主様や関連企業といったステークホルダーだけでなく、当社で働くすべての従業員も含まれています。従業員が「豊・楽・快」であることで、それが大きな経営の原動力となり、事業拡大や企業規模の成長につながると考えています。その結果、企業価値が高まり、社会的意義も向上するという好循環を生み出すことを目指しています。

当社では、サステナビリティ推進の一環としてDE&Iを重視しており、「中期経営計画2028」の中でも、経営基盤の強化に向けて生産性の向上や人材活用の推進を掲げています。この取り組みには、育児や介護との両立支援、障がいを持つ方や外国籍の方の活躍推進も含まれており、これらは当社の重要なテーマの一つです。
また、当社のDE&Iを語る上で特に重要なのは、単なる「働きやすさ」の追求にとどまらない点です。当社は「働きがい」を追求する企業でありたいと考えています。一般的に「働きやすさ」は、柔軟な勤務体制や福利厚生の充実といった物理的・制度的な支援が注目されがちですが、当社ではこれらを土台としつつ、その上に「働きがい」という精神的な充実や自己実現を重視しています。働く人材の「豊・楽・快」を追求するためには、さまざまな視点があると考えています。しかし、何より大切なのは、当社で働く人材一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じながら取り組める状態をつくることです。それこそが「豊・楽・快」につながると信じています。こうした環境づくりを推進することが、これからのDE&I推進において非常に重要だと思っています。

──当社にはサステナビリティ委員会があり、委員長を金子社外取締役が務めています。サステナビリティ委員会で、特にサステナビリティやDE&Iの関連で注目しているのは、どのようなことでしょう。

金子 社外取締役(以下、金子)
当社の理念を実現するためには「体制」が重要だと考えています。当社のサステナビリティ推進室・推進課は、これまで多岐にわたる分野で努力を重ね、さまざまな取り組みを進めてきました。
今年度は組織再編や体制整備を実施し、サステナビリティ推進の基盤を強化したことが、大きな成果だと思っています。少数精鋭の体制ではありますが、今後は組織の幅を広げ、さらなる人材の増強を図り、体制を一層強化していきたいと考えています。
また、男性の育児休暇取得に関しても、当社独自の取り組みを行ってきました。具体的には、配偶者の出産に際して、国の制度に加え、当社独自の制度を導入することで、男性育休取得率を100%に引き上げることができました。

千田
従来の有給休暇とは別に、特別な有給を付与する仕組みを設けることで、より育休取得をしやすくしました。これが、男性従業員の育休取得を後押ししたと考えています。

金子
不動産業界は他業界と比べて、少し遅れている部分があると感じていますが、当社は先進的な施策を導入し、業界全体の底上げに貢献していると思います。特に女性の活躍推進では、一定の成果を上げていますが、女性管理職比率はグループ全体で10%強という状況であり、業界内の水準は上回っているものの、まだ課題は多いと感じています。社外取締役という立場から見ても、この分野を充実させていくことは、当社の発展に寄与するだけでなく、不動産業界全体の未来にとっても非常に重要なテーマだと考えています。女性がキャリアを築きやすい仕組みづくりを進めるとともに、管理職やリーダー層への登用を含めた取り組みをさらに強化していく必要があると考えています。

育休取得率100%を実現。配偶者出産休暇制度で育休を取得した従業員の声

──当社は昨年度から、男性育休取得の推進により注力しています。配偶者出産休暇制度を導入した結果、「育児休業」「育児目的休暇」どちらも100%を達成しました。今回は、実際に「配偶者出産休暇制度」を活用し、育休を取得した経験がある、管理職の設樂課長代理にうかがいます。どのように育休を取得されたのか、その際の周囲の反応やご自身の経験についてお聞かせください。

設樂 課長代理(以下、設樂)
妻が妊娠し、安定期に入ったタイミングで、上司に妻の妊娠と育休を取得したい旨を伝えました。妻も私の育休取得を希望しており、また、これまでと比べて社会的にも社内的にも、男性も育休を取得しやすい雰囲気が着実に広がっていると感じていました。
ただ、当初は制度について詳しく理解していなかったため、労務課からガイドブックなどの資料を提供してもらい、それを参考に準備を進めました。育休取得の直前には、上司と業務の振り分けについて相談し、スムーズに引継ぎを行った上で育休を取得することができました。

──育休の取得にあたり、上司や部署内から目に見えないプレッシャーや、圧のようなものを感じることはありませんでしたか。

設樂
上司は私より5歳年上で、同じ年代の子どもがいるということもあり、とても理解がありました。「ぜひ取ってほしい」と背中を押していただけたので、安心して育休を取得することができました。
また、部内には同じような状況の20代の部下もいて、育休を取得する時期は異なるものの、「一緒に育休を取ろう」と話し合うこともありました。職場全体の雰囲気としても、育休が取りやすい環境が整っていて、取りにくいとか、プレッシャーを感じることはありませんでしたね。

千田
昨年から管理職研修の場で、総務・人事部の青栁上席部長が「男性社員は積極的に育休を取ってください」と繰り返し発言しており、それが社内の雰囲気を大きく変えたと感じています。また、昨年4月の法改正を機に、「産休・育休ガイドブック」をサステナビリティ推進室でリニューアルしました。このガイドブックや社内イントラネットのツールでは、実際に育休を取得した従業員のインタビュー記事も掲載し、育休取得者の体験談を社内でモデルケースとして共有しています。こうした取り組みによって、先輩社員が育休を取得していることが分かるだけでなく、従業員同士で具体的なアドバイスを聞ける環境が生まれました。男性育休の取得促進に向けた環境づくりがうまく機能していると考えています。

──今回の育休取得は2人目のお子さまのためだとうかがっていますが、1人目のお子さまのときは、取得されましたか。

設樂
小学生になる長男が生まれたのが約7年前ですが、そのときは育休を取得しませんでした。正直なところ、育休を取るかどうか考えたことすらありませんでしたね。当時は、育休を取得する男性は非常に少数だったと思います。

千田
その頃と比べると、社内の意識も随分変わってきたと思います。

設樂
本当に変わりました。

千田
変わりましたよね。現在では、男女ともに育休取得率が100%となり、今年もその100%を継続しています。昨年のサステナビリティ対談で「男性育休取得率を30%から100%に引き上げましょう」と話していましたが、ついにそれを実現することができました。

垣内 社外監査役(以下、垣内)
以前から、同じ部署内の同僚など、育休取得者の周りの方々に業務負担が増えるのではないかといった課題も指摘されてきました。育休を取る本人も周囲への負担を心配し、周りも気持ちよく送り出したい半面、自分たちの負担が増えることを懸念していましたよね。企業が育休取得者をフォローする周りの方々に手当を支給した場合、国が助成する制度がありますが、こうした支援の必要性についてはどうお考えですか。

設樂
周囲の負担が増えるのは事実なので、そういった制度があると良いと思います。当然、独身の方やお子さんがいない方もいらっしゃいますが、こうした手当があることで、より一層の理解を得やすくなるのではないでしょうか。

千田
以前に比べると、育休取得のハードルはかなり低くなったと思います。会社が成長し、仕組みが整備されてきたおかげで、従業員1人あたりの業務負担を仕組みでカバーできる範囲が増えたと感じています。

設樂
私が所属する分譲設計の部門でも、仕組みがしっかりしているので、引き継ぎさえきちんとしておけば問題なく対応できると思っています。

ケイアイスター不動産の推し進める障がい者雇用について

──当社では障がい者の活躍推進にも力を入れています。事務スタッフとして働いている障がい者の方々だけでなく、世界で活躍しているアスリートも在籍しています。ケイアイチャレンジドアスリートチームに所属するデフフットサル・デフサッカー選手の岩渕さんに、障がい者雇用についてお話をうかがいます。実際に、どのような働き方で活躍されているのでしょうか?

岩渕さん(以下、岩渕)
当社には「チャレンジドシナジー課」という、主に障がいを持った方々が所属している部署があります。アスリートチームや事務部署など、さまざまな場で障がい者の方が活躍しており、難聴や麻痺、車いす利用などの身体的な障がいを持つ方、精神障がい、知的障がいを持つ方が、それぞれ約3分の1ずつの割合で在籍しています。

──岩渕さんの普段の活動や、業務について教えてください。

岩渕
私はアスリートとして、デフフットサルやデフサッカー(耳が聞こえない人、聞こえにくい人のフットサルやサッカー)のトレーニングを行っています。日本代表の候補として、国際大会で良い結果を出すことを目指して活動しています。それ以外にも、障がいに関する講演活動や、子どもたちに耳が聞こえない人とのコミュニケーション方法を学べる体験会を開催しています。また、月に1~2回ほど会社に出社し、体験会の資料作成や、社内外に向けた活動内容の発信も行っています。

千田
昨年は、ケイアイチャレンジドアスリートチームの皆さんにご協力いただき、サステナビリティ推進課が埼玉マラソンのスポーツ体験イベントでブースを出展しました。
その中でデフフットサルの体験会を実施し、多くの方々にご参加いただきました。最近ではドラマの影響もあり、手話に対する関心が非常に高まっていることを実感しています。イベント当日も、子どもたちや若いカップル、知的障がいを持つ方も参加され、「同じように障がいを持つ人が、世界で活躍している姿に感動した」という声をいただくなど、大変有意義な取り組みとなりました。
一方で、従業員の間では、社内でアスリートチームの方々と接する機会が限られており、もっと活発なコミュニケーションを取りたいという課題がありました。そこで昨年度から、サステナビリティ推進室、ケイアイチャレンジドアスリートチーム、総務課が共同で「プロジェクトACE」を立ち上げました。このプロジェクト名の「ACE」には、「Athlete(アスリート)」「Connect(つながる)」「Employee(従業員)」という意味が込められています。本プロジェクトでは健康促進活動を通じて、アスリートと従業員をつなぐ新たな取り組みを展開しています。

──アスリートと従業員をつなぐ「プロジェクトACE」の活動についてもご紹介ください。

岩渕
私たちアスリートは、日々体と向き合い、健康について考える時間が他の方よりも多いと思います。その知識や経験を活かし、社内の皆さんに貢献できたらと考えています。
現在、主に行っているのは「パーソナル相談」です。従業員の方々が業務やプライベートで感じる体の悩み、運動不足、健康的に痩せたいといった要望に対し、気軽に相談できる窓口を設けています。この活動を通じて、社内の健康への意識を高めることを目指しています。

千田
応募フォームから申し込むと、相談内容に応じた専門分野を得意とするアスリートが個別指導をしてくれる、非常に魅力的なプログラムです。例えば、筋力をつけたい場合には、筋トレが得意な選手が「どの部位を鍛えたいのか」「どのようなトレーニングが良いのか」といった具体的なアドバイスを直接行います。
また、忙しい時でもコンビニで手軽に買える健康的な食事の選び方や、貧血の方におすすめのメニュー、ダイエットに関するアドバイスなど、個々のニーズに合わせたサポートをしてもらえることが特徴です。

岩渕
ストレッチ動画も作成して、定期的に社内へ配信しています。

千田
あの動画、すごく良いですよね。座ったままできるストレッチ動画など、仕事の合間にサクッと実践できるよう工夫されているので、一息つきながらストレッチできるのが絶妙です。デスクワークで凝り固まった体に効いて、とても助かっています。

岩渕
また、現在は「健康診断の受診率100%」を達成すべく、未受診の方々へのアプローチも行っています。健康診断の結果の集計もしており、従業員の健康傾向を把握することで、今後どの分野に重点的なアプローチが必要か、分析する取り組みも始めています。

──当社だけでなく、近年、障がい者雇用に取り組む企業が増えていますが、その背景には法定雇用率の達成を目指す流れがあるのでしょうか。

垣内
確かに、法定雇用率の達成を目標に掲げる企業は増えていますね。ただ、法律で定められているから取り組むという姿勢では、真の価値や結びつきは生まれません。その点でも、プロジェクトACEのように社内のつながりを通じて新たな可能性を広げる取り組みは非常に意義深いです。
当社も、まずは法定雇用率の達成を目標として取り組んできました。しかし、現在ではその枠を超え、障がいを持つ方々の知見やスキルが商品開発や新たな事業領域での競争力強化につながる動きが少しずつ広がり始めています。これからは、単に雇用率を達成するだけでなく、企業と障がい者双方にとって本当に価値のある取り組みをさらに推進していきたいと考えています。

社員職人が活躍するケイアイスター不動産

──当社は社員職人の育成にも力を入れています。職人不足が社会的な課題とされる中、当社では早くから社員職人の採用と育成に取り組んでおり、海外出身の方々や女性従業員も社員職人として現場で多く活躍しています。

千田
職人不足への対応は、当社にとっても重要なテーマです。当社では2013年にクラフトマン部署を設置し、スリランカやベトナムなど海外出身の従業員を受け入れ、育成を進めてきました。この取り組みも10年を迎え、成果を実感しています。また、女性職人の採用もしており、女性職人だけで家を建てるプロジェクトも行ってきました。

垣内
多様な人材の受け入れは、DE&Iの観点から見ても非常に意義のある取り組みだと感じています。異なる背景や文化を持つ方々とともに働くことで、新たな視点や価値が生まれるだけでなく、企業としての組織力が高まり、強靭さが増していきますね。
また、こうした取り組みが社内の連携や信頼関係を深め、最終的に企業価値の向上にもつながっていると感じます。今後もお互いを尊重し、多様な働き方を支える取り組みをさらに進めていくことを期待しています。

千田
そのためにも、従業員一人ひとりの知見を広げる取り組みが必要です。当社では数年前からDE&Iに関する研修を実施しており、従業員の理解と意識も着実に向上しています。今後はさらに、多様な人材との協力や相互理解を深める教育プログラムを進め、全社的にDE&Iへの理解を浸透させていきたいと考えています。

──具体的には、女性のキャリア両立支援や、管理職研修にDE&Iの内容を盛り込むなど、研修プログラムを強化する予定ですね。

金子
そうですね。当社では女性が多く活躍していますので、管理職候補となる方々もたくさんいらっしゃいます。ただ、キャリアアップを目指す中で、「自分には難しいのでは」と感じてしまう方も少なくないのが現状ではないでしょうか。

千田
当社では2011年頃から新卒採用を強化する中で、女性の採用や活躍を積極的に推進してきました。その結果、2020年には「なでしこ銘柄」を取得し、女性管理職比率も10%程度に増加しました。しかし、その後は伸びが緩やかになっている状況です。これは、当社の成長が想定以上に目覚ましく、事業規模の拡大が急速に進んだことが背景にあります。女性管理職の育成も着実に進んでいるのですが、会社全体の成長スピードが非常に速かったため、育成のペースが追いついていない部分があると感じています。
このような状況は、当社の成長や規模拡大の証でもありますが、だからこそ今後さらに女性活躍推進を強化し、環境づくりや育成に注力することで、女性管理職比率や活躍の場が自然に広がっていくと考えています。そのためにも、ライフイベントへの支援をより手厚くし、現場の声をしっかりと反映させた施策を進めていきたいと思います。
また、次期管理職候補の育成を強化することも重要です。実際に管理職候補を対象に意識調査を行ったところ、女性は男性に比べて管理職になりたいという意欲がやや低いという結果が出ており、この部分にも働きかけを行う必要があると考えています。

垣内
現場での役割や専門性を大切に考える方がいるのは、当社の特徴であり、強みだと思います。ただ、管理職になることで新たな視点が得られたり、成長のチャンスが広がる可能性があることをもっと伝えられると良いですね。そうした魅力に気づいてもらえれば、次のステップにチャレンジする方が増えるのではないでしょうか。

設樂
例えば、自分の所属する設計部門では女性が多いのですが、現場でプレイヤーとして働き続けたいという思いが強く、管理職を敬遠するケースもありましたね。

垣内
そういった働き方もひとつの選択だと思います。ただ、ライフイベントだけを理由に、管理職に挑戦したい気持ちがありながらも遠慮してしまう方がいるのだとしたら、それはとてももったいないと思います。管理職になることで新しい世界が広がり、自分の可能性をさらに広げられることもあるので、ぜひその魅力を伝えていきたいですね。

千田
ぜひチャレンジしてほしいですね。

金子
確かに女性が働きやすい環境づくりは重要ですが、管理職としてのやりがいや成長の機会をもっと明確に伝え、それを具体的にイメージできるようにすることも大切だと思います。管理職になることで得られる達成感や価値を、積極的に発信していくべきではないでしょうか。

垣内
男女の違いとして、男性は「自分にはできないかもしれない」と思いながらも挑戦する傾向がありますが、女性は自信があっても「自分には無理です」と断るケースが多いと聞きます。ある企業では、少なくとも3回は声をかけて挑戦を促す方針を徹底した結果、女性管理職が大幅に増えたそうです。

千田
私自身、新卒で入社した頃には管理職になるとは想像していませんでした。現場でお客様と直接向き合う仕事を続けたいという思いが強かったのですが、実際に管理職を経験してみて、視野が広がり、成長を実感しています。

金子
当社では、長期的な視点で、多様で優秀な人材を育成しています。その取り組みを、より丁寧に発信していくことが大切だと感じます。
また、子育ては長く感じられるものの、実際の経過時間としては比較的短い期間だったりします。

垣内
そうなんですよね。ライフイベントとの両立という観点では、育児だけでなく介護もありますが、介護の方が終わりが見えにくいと言われており、従業員が年齢を重ねるにつれて、今後は介護の支援がより大きな課題となる可能性も高いですね。

金子
介護は育児と比べても長期間にわたる可能性がありますし、より柔軟な働き方の推進が求められることも考えられます。
また、育児や介護支援に加え、障がいのあるお子さんを持つ従業員への支援など、支援の領域を広げることも重要です。多様な背景を持つ従業員が働きやすい環境づくりや財政的な支援を進めていけたら良いですね。

会社の成長を支える今後の取り組みとは

──最後に今後への期待を込めて、社外取締役・社外監査役の目線からメッセージをお願いします。

垣内
急速に成長している会社だからこそ、しっかりした土台が重要です。サステナビリティやDE&Iの活動は、まさにその土台を支える取り組みです。これらの活動を止めることなく、さらに積極的に進めていただきたいと思います。
また、従業員が自由に発言できる会社は、成長する力を持っています。上からの指示を待つだけでなく、従業員一人ひとりが自分の意見を自由に言える雰囲気づくりが重要です。そのためには、様々な価値観を理解し、それぞれの個性や強みを活かせる環境を整備することが大切です。多様な人材が活躍できる場を作ることで、さらなる成果が期待できるでしょう。

金子
今後取り組むべき重要なテーマのひとつは「DE&Iのさらなる推進」です。従業員が健康で働きやすい環境を整えることはもちろん、個々の価値観や背景を尊重し、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる職場環境を整えることが、優良企業としての基盤を築くうえで欠かせません。DE&Iの推進は、従業員一人ひとりのエンゲージメント向上や職場の活性化に加え、企業全体の競争力を高める鍵となります。特に、異なる視点やアイディアを取り入れることで、新しい価値を生み出し、これまで以上に柔軟で革新的な企業になれると考えています。
さらに、これからは育児だけでなく「介護」など、さまざまなライフイベントに直面する従業員を支援する仕組みづくりが重要になります。このような取り組みを充実させるだけでなく、外部にも積極的に発信することで、ケイアイスター不動産が社会におけるロールモデルとしての役割を果たしていけるのではないでしょうか。
サステナビリティ委員会委員長として、DE&Iを含むサステナビリティの取り組みを止めることなく、さらに深化させる必要性も強く感じています。当社がこれからも持続可能な成長を遂げ、社会全体から信頼される企業であり続けるために、従業員全員が当事者意識を持ち、取り組みを進めていっていただきたいと思います。

──本日の座談会は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

金子 恵美(かねこ めぐみ)

社外取締役

金子 恵美(かねこ めぐみ)

  • 2000年4月

    株式会社新潟放送(現株式会社BSNメディアホールディングス)入社

  • 2007年4月

    新潟市議会議員選挙当選

  • 2010年7月

    新潟市議会議員選挙当選

  • 2012年12月

    第46回衆議院議員総選挙当選

  • 2014年12月

    第47回衆議院議員総選挙当選

  • 2016年8月

    総務大臣政務官(IT行政、郵政担当)

  • 2023年6月

    当社社外取締役(現任)

垣内 美都里

社外監査役

垣内 美都里

  • 1988年4月

    日産自動車株式会社入社

  • 2014年7月

    株式会社ぐるなび入社

  • 2014年12月

    同社執行役員

  • 2015年6月

    同社取締役執行役員

  • 2018年5月

    同社取締役上席執行役員

  • 2019年8月

    デロイトトーマツコンサルティング合同会社 ディレクター・執行役員

  • 2021年4月

    エリクソン・ジャパン株式会社 コンプライアンスオフィサー(現任)

  • 2023年6月

    当社社外監査役(現任)

千田 悠可(せんだ ゆか)

執行役員

千田 悠可(せんだ ゆか)

  • 2011年4月

    ケイアイスター不動産株式会社 入社 自社販売店 配属

  • 2015年1月

    北関東分譲事業部 コンサルティング営業 配属

  • 2015年9月

    北関東事業部 本社コンサルティング営業 2部2係 係長

  • 2016年4月

    北関東事業部 北関東法人営業部 本社2課 課長代理

  • 2016年11月

    北関東事業部 北関東法人営業部 次長

  • 2017年1月

    第一分譲事業部 法人営業部 本社1課

  • 2017年7月

    第一分譲事業部 法人営業部 部長

  • 2017年8月

    ダイバーシティ推進室(現:サステナビリティ推進室) 室長(現任)

  • 2018年4月

    ZuZu 都市開発事業部 事業部長

  • 2018年6月

    執行役員(現任)

  • 2025年1月

    ケイアイプランニング株式会社 事業管理部 執行役員(現任)

設樂 正明

課長代理/設計課/男性育休取得経験者

設樂 正明

  • 2017年12月

    ケイアイスター不動産株式会社 入社 設計部 配属

  • 2020年4月

    第一分譲事業部 設計部 設計課 1係 係長

  • 2023年4月

    ファーストドア分譲事業 建設統括部 設計課 実施設計係 課長代理

  • 2024年4月

    ケイアイネットクラウド株式会社 生産管理部 設計係(出向) 課長代理(2024年9月 出向解除)

  • 2024年7月

    グループ購買 住宅企画部 設計課 課長代理(現任)

岩渕 亜依

チャレンジドシナジー課/障がい者アスリート

岩渕 亜依

  • 2019年2月

    第1回女子デフフットサルアジア大会(タイ)優勝

  • 2019年4月

    ケイアイスター不動産株式会社 入社

  • 2019年11月

    第4回女子デフフットサル世界大会(スイス)5位

  • 2023年4月

    第2回女子デフフットサルアジア大会(イラン)優勝

  • 2023年11月

    第5回女子デフフットサル世界大会(ブラジル)初優勝

  • 2024年3月

    第20回冬季デフリンピック競技大会(トルコ)5位

  • 2025年6月

    第6回女子デフフットサル世界大会(イタリア)7位

佐藤 香織

課長代理/サステナビリティ推進課/インタビュアー

佐藤 香織

  • 2013年4月

    ケイアイスター不動産株式会社 入社 品質管理部 配属

  • 2017年3月

    購買部 発注管理課 配属

  • 2022年4月

    パートナーシップ推進部 発注管理課 配属

  • 2023年10月

    海外事業推進室 サステナビリティ担当として配属

  • 2024年1月

    広報室広報課 サステナビリティ担当として配属

  • 2024年4月

    広報室広報課 係長

  • 2024年10月

    サステナビリティ推進室 配属

  • 2025年4月

    サステナビリティ推進課 配属
    サステナビリティ推進課 課長代理

公開日:2025年9月30日
※肩書・所属について掲載時における情報を記事に反映しています